先日、カウンセリングをさせていただいている方から、とても嬉しいメールを頂きました。
掲載をご本人から快諾いただきましたので、その一部を紹介させていただきたいと思います。

この方のお名前はユカさん(仮称)とさせていただきますね。

ご主人の不倫が発覚以降、不眠に悩まされ、とても辛い日々を過ごしてらっしゃいました。
悲しさ、苦しさ、悔しさ、不信などなど、様々な思いが彼女を苦しめ、そんな思いが続くのなら、いっそ離婚をして解放された方が良いのでは?
その苦しみから自由になれるのでは?という思いを、再構築を進めるものの、ずっと胸に抱いていらっしゃいました。
そして、ご主人が持つユカさんにとって嫌な一面を見る度に、もうやっていけないという思いに囚われ、離婚か再構築かという選択の間で揺れ続けていました。
そんな思いを抱いているある日のカウンセリングの後のことです。

----以下、一部抜粋--------

ゆずはさんが提案してくれた、それらの質問をしてみます。
責めるのではなく、夫の考え方を知りたいな~という気持ちで。
普通は胸が痛むものじゃない?普通は相手の立場にたつものじゃない?
普通は。普通は。
私は夫と話すとき、こういった気持ちが心にありながら話していました。

でも、感情を感じないようにしていた夫の幼少時代。怒られて、そこを我慢して反省して大きくなる。それが普通だと思い込んでる夫の育った環境。
そこをゆずはさんから教えていただいて、また大きな気づきがありました。

この人にとってはこれが普通。
根っからの意地悪な訳ではないのかもしれない。
ユカに何か言われると、俺は頭がおかしい人間に感じて嫌だったと言っていた夫の事が少しわかりました。

普通は相手の顔色を見ないよ。普通は相手が傷ついたかどうかなんてみんな気にしないよ。普通はもっと自分の感情を出すよ。何でそんななの?
私がこれを数年に一度爆発したように言われたら。。私にとっては普通の事を間違いだと否定されたら。。
私はどこかおかしいのかなって思うと気づきました。

もう無理だ。これから人生一緒にやっていけないほど夫は私とは違う。ちっちゃい男だ!嫌いだ!変わらないや。やっぱり無理だと思っていた私ですが、話してみようと思いました。

怖がらない。話し合いを恐れない。
夫の傷ついた顔を恐れない。
私が傷つくことがあるかもしれないことを恐れない。

話し合いのテーマを教えていただけたので余計具体的に想像できました。

前と違う行動をしなければ同じ夫婦に戻るだけ。
勇気を出してすすみます!

離婚はやれることをやってからでも考えられる。
人生は短いから、いつまでも同じ場所で苦しんで進めない毎日を過ごすのはもったいないから、やれることを勇気を出してやろう!
人生はまだまだあるから、色々やれることをやってから結論出せばいいや!間に合う!

矛盾してるけど、そう思いました(^-^)

-------------------------

このメールを頂いたとき、私は感動に震えました。

彼女の中で、何かが大きく成長し、自分の意志を持って歩き出したのだ。このような感覚を覚えました。
人間の持つ本来のしなやかさ、力強さ、優しさ、そして深い愛情。
そんなものが一度に花開いたような、そんなイメージでした。

それまでのカウンセリングの中で、私たちは何度も彼女の夫の感情について話し合う機会を持ちました。
もちろん、彼女の感情とのリンクする部分も探しました。
とても理知的な方ですから、心理学の理論はすぐに理解されました。
ですが、それは彼女の知識として貯えられていたのですが、ご主人を理解する道具としては使われては居なかったのです。
内面では彼女の苦しさの感情の方が、知識よりも勝っていたのだと思います。
誰もが経験する「知っているけど、できない」という状態ですね。

ですが、このメールが物語っていることは、彼女の知識が感情と融合した。違う言い方をすれば、腑に落ちた、腹の底から理解した、心の奥底へ浸透した、すっと胸に入ってきたなどなど、知識と感情がピッタリと一致するときに起こる現象が現れていると思えるのです。
そして、ひとたびこの感覚を味わったら、もう決して忘れません。
これからの人生の中で、ことあるごとに応用し、何かあっても、自分で解決していける力と強さを手に入れたと思うのです。

彼女の再構築は、まだ続くことでしょう。
ですが、相手と同じ土俵に立ち、相手の立場から物事を理解しようとする姿勢、そして洞察力。この力と強さを手に入れた彼女は、自分の意志で人生を切り開き、自分を幸せにする方向を間違わずに進んでいくことでしょう。

眩しい朝日に向かって船出するユカさんの姿が、目に浮かぶようです。
そして、カウンセリングという場を通して、こんな感動の気持ちを味合わせていただけたことが、本当に嬉しく、喜びで胸がいっぱいになりました。

今年も残すところあとわずかです。
来年は、カウンセリングという場を通して、一人でも多くの方とふれあい、協力しながら新しく人生を切り開いていける道を探すお手伝いが出来ればいいなぁと思います。

最後になりましたが、この場に掲載する許可を下さったユカさん、本当にありがとうございました。